睡蓮の幻
泥の中に根を張って、冷たい水の上に美しい花を咲かせる。その花の名前はナークローゼン(睡蓮)。
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睡蓮の夢(2) 事件の真相編
事件の真相。
兄ちゃんは盲目的、自己満足。
ラヴィエラは独善的、自分勝手。

レヴィ=ラヴィエラの兄
ウィル=レヴィの親友

【睡蓮の夢(2) 瓦解】

清らかなはずの睡蓮。
でも、私達の睡蓮は血で汚れていた。
他人の血と涙を養分にして咲いていた。
この睡蓮は白じゃない。
咲いたのは、紅い花。


最初は義賊だった。
義賊気取りなだけだったのかもしれないけれど。
今はもうただの強盗団に成り下がった。
誰が居ようとお構いなしに押し入る。
目撃者は老若男女問わず、例外なく消し去る。
どうしてこうなってしまったのだろう?
どこで間違えたのだろう?
ラヴィエラにはその答えがわかっていた。
過ちの分岐点には自分がいる。
だからこそ、正さなくては。

ラヴィエラのその思いは、本物の空を見た日から強くなった。

■ ■ ■

「兄さん、もう止めようよ!」
「何言ってるんだよ、ラヴィエラ! そいつを渡せ!」

ラヴィエラは少女を背に庇い、兄と対峙した。
自分とそう年の変わらない女の子。
強盗現場に居合わせてしまった不幸な子。
誰かに気付かれる前に、彼女を逃がそうと思った。
こっそり連れ出せたと思っていた。
それなのに。
よりにもよって兄に見つかってしまった。
兄に渡せば少女は間違いなく命を落とす。
だからラヴィエラは動かなかった。

「この子を殺さなくてもいいじゃない」
「目撃者を生かしておけば、俺達のことがばれる」
「でも、」
「いいから、そこをどけ。お前は、何もしなくていいから」

森の中を走って走って、たどり着いた先には、先が無かった。
階層の一部が崩れていて道が無い。
つまり現在、ラヴィエラは背水の陣に立たされていた。
少女の手を引いて横に逃げる?
それとも剣を抜いて兄さんと戦う?
どちらも出来ない。足が震えて立っているのがやっと。
だからラヴィエラは動けなかった。

「ダメよ! この子は悪い人じゃないわ。殺しちゃダメよ」
「ラヴィ、罪悪感なんて感じることはない。そいつは悪党の子だ」

だから良いんだよ、と兄はラヴィエラに微笑みかけた。
迷子の子供を安心させるように。ぐずる幼子をあやすように。
優しい目をして微笑んだ。

「怖いなら目を閉じていればいい。後は俺がやるから、全部」
「ダメだったら!兄さんにも、もうそんなことして欲しくないのよ!」
「何言ってるんだ? お前、この間から変だぞ? 空を見に行った時から」
「変じゃない! ずっと思ってた!もう止めたいって! でも言えなくて……」
「……ずっと?」
「こんなことはもう止めようよ!」
「……こんなこと? 誰の為に今まで」
「私はもう何もいらないから! だから、」
「今さら止められるか!」
「……!?」

兄の頭部に白い仮面が現れたのを見てラヴィエラは声を失った。
(……何? 何が起きてるの!?)
兄は剣を振りかぶった。

「逃げて!」

後ろで震えていた少女は、ラヴィエラの鋭い声を聞いて、
弾かれたように駆け出した。
森の中へ逃げ込む少女には目もくれず、兄は囁く。
悲しみに満ちた視線をラヴィエラに注いで。

「お前だけは分かってくれていると思ってたのに……!」
「兄さん……!」

振り下ろされた剣を体で受けて、ラヴィエラは後ろに倒れた。
彼女の背を受け止める地面はなく、宙に投げ出される。

「ラヴィエラ!」

誰かが叫ぶ声がした。

(兄さん?……じゃない。あの声はウィル?)

赤い雫と共に落ちていく。
やけにゆっくり流れる時間の中で、ラヴィエラは声を聞いた。
もう一人の兄のような存在だった、兄の親友の声を。

■ ■ ■

「もう、何も、いらない?……そうだな。もう、いらないな」

レヴィは独り呟く。

「何があったんだ!? 何故お前がラヴィエラを!?」

心配して走り寄ってきた親友のウィルに、言葉ではなく剣で答えた。
言葉を発すること無く斬りつける。
地に伏した親友の姿を一瞥すると、レヴィは森の中へ入っていった。
目撃者の少女を消すために。
それから、全てを消すために。

■ ■ ■

意識を取り戻したウィルは奴隷商人の屋敷へと戻った。
仲間たちにレヴィの異変を伝える必要がある。
レヴィは組織のリーダーだった。
彼が狂ってしまったのならば救えるのは自分達だけだと思った。
しかし、そんな願いもむなしく、現場に戻ったウィルが見たものは、
血だまりの中に立つレヴィの姿と事切れた仲間たちの躯。

「嘘だろ……」

ウィルは、レヴィの姿に違和感を覚えた。
先程は見えなかった白い仮面が、今はハッキリと見えた。

「何でだよ! 何でこんなことを!」
「まだ生きてたのか」
「その白い仮面のせいか!?」
「……へえ、これが見えるのか」
「意味がわからない……何で、お前が……」
「ラヴィエラは何もいらないって言った。だからさ」

マスカレイドとなったレヴィは躊躇いなく刃を向けた。
エンドブレイカーとなったかつての親友に。
戦いはもう避けられない。

「もう何もかもどうでもいい。全部いらない。だから消すんだ」
「……俺は、お前を止める。ラヴィエラの代わりに」
「面白い!さあ来い!」
「うおおお!」
「ぬおおお!」

☆にわかエンドブレイカーの冒険☆
今回最終回!『相討ち』

そして、誰もいなくなった。

(続く)

次回で過去編は終わりです。

Q.ウィルは重傷だったのになぜ走ったり戦ったりできたの?
A.意識回復後すぐに回復アビを使ったのです。ダブルトリガーが回って超回復!
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