睡蓮の幻
泥の中に根を張って、冷たい水の上に美しい花を咲かせる。その花の名前はナークローゼン(睡蓮)。
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紅茶につられて
世界を見て回ろうと思って、ドクターの家を出た。
でも、ドクターに書いてもらった近くの街への地図は間違っていた。
3日で着くはずが、もう5日も経ってるのはどういうこと?
今、森の中を彷徨ってる。
もうダメ……目の前が白くかすんで見えるわ……。

■ ■ ■ ■ ■

「うわあ!人が倒れているでござる!」
「あらあら」
「な、なにゆえこの森に人が!?まさか拙者の命を狙う刺客っ!?」
「どこからどう見ても行き倒れですわよ。見てわからないんですの?」

賑やかな声が耳に飛び込んできた。
私は閉じていた目をうっすらと開く。
青いドレスの中年女性とカイゼル髭(逆への字型)の黒服青年。
貴婦人と執事かしら?

「さすがは奥様!見事な洞察力でござる!」
「奥様じゃないっつーの!レディとお呼び!」
「イエス、サー!」
「サーじゃないっつーの!」

私の目の錯覚かしら?
貴婦人が執事を蹴り飛ばしているように見えるわ。
執事が軽く宙を舞ったわ。

「とりあえず屋敷に運んでくださる?」
「ラジャーでござる!ただいま手押し車を持ってまいりますゆえ」
「馬車に乗せればいいだろうが!」

こうして私はボケ執事とツッコミ貴婦人に救助された。

■ ■ ■ ■ ■

「助けてくれてありがとう」
「お礼なんて必要ありませんわ。困った時はお互い様ですわ」

大きな応接間のテーブルの上にはたくさんのお菓子。
私の前に置かれたティーカップの中には香り高い紅茶。
胸の奥をくすぐるような素敵な世界に目を奪われる。

「これ、食べてもいいの?」
「ええ、どうぞ。全部召し上がって」

喜ぶ私に、執事が呆れた視線を投げかけてきた。

「おぬし、上流階級のものには敬語を使うのが常識ですござるぞ!」
「ケイゴ?」

知らない言葉に首を傾げる。

「貴女は記憶喪失だっておっしゃってたけど」
「ええ、そうよ。時々昔の夢を見るけど、まだほとんど真っ白」
「日常生活のことは?支障はありませんの?」
「それはないわ。文字もある程度は書けるし」
「思い出せた過去はどんなんだったでござるか?」
「よくわからないけど、たぶんどこかの都市の騎士だったと思うわ」

私の話を聞いて二人は怪訝な顔になる。
私、何か変な事言ったのかしら?

「はっはっはっ!常識を知らない騎士なんてお笑いでござrぐふう!」
「お前は黙ってろ!」

急に笑いだした執事に眉をしかめた貴婦人は、
執事のお腹めがけて拳をくり出した。怖っ!

「いいこと?騎士を名乗るならそれなりに知識がないといけませんわ」
「……うん」
「アタクシ、こう見えて昔は城塞騎士をしてたこともあるんですわ」
「そうなの?すごいわね!」
「アタクシ、暇で暇で死にそうなくらい暇ですの」
「……?」

今何か急に話が飛んだような気がするわ。

「ですから、アタクシが貴女に常識や教養を教えて差し上げますわ!」
「……ありがとう」

美味しい紅茶を毎日飲めるならしばらくここにいるのも悪くないかも。
……なんて考えが甘かったわ。
それに気付くまで、あと3秒。
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