睡蓮の幻
泥の中に根を張って、冷たい水の上に美しい花を咲かせる。その花の名前はナークローゼン(睡蓮)。
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Merry Merry Snow
メロさんとのクリスマス2ピンのSS用プレイングから。
通常2ピンが受理され、クリスマス2ピンは頼まないので
創作SSになりました。
12月25日の夜のお話。

※偽シナではなく創作SSです。
 もちろん検閲済み。
【 Merry Merry Snow 】

パーティーが終わってから数時間が経過した。
賑やかで華やかで楽しかったパーティー。
その余韻はまだ残ってはいるけれど。
それ以上にラヴィエラの胸を占めるのは『寂しさ』。
楽しい時間が終わってしまい、なんとなく寂しい気分になったのだ。

(こんな気持ちになるなんておかしいわよね……)

もう夜中だというのに。
パーティー終了から大分時間が経っているというのに。
気持ちを切り替えることが出来ない。
パーティーで着ていたドレス姿のまま、屋敷の応接間でぼんやりしていた。
ドレスを脱いでしまったら終わりを認めるようで。
収穫祭の後は楽しい気持ちだけが残っていたのに、何故今回は違うのだろうか。
俯いて考えるラヴィエラの耳にかすかな足音が届いた。
顔をあげれば目に入るのは親友の姿。

「ああ、ラヴィ。まだ起きてたのか」
「ええ」
「それに、まだお姫様のまま」
「お姫様って」

何それ? と笑うラヴィエラの顔にメロルーシャは影を見る。
それに気付かぬふりをして笑い猫はいつものように笑う。

「ドレス。着たまま、ってこと。なぁに? そんなに脱ぎたくないの?」
「んー、かもしれない」

どうしたらしおれかけた白薔薇を元気にできるだろう。
メロルーシャは少し考え、無言で応接間から出ていく。
外套を取りに自分の部屋へ。それからキャンドルを。できるだけたくさん。

* * *

ありったけのキャンドルを抱えて黒猫は庭へと走る。
お祭りの間、屋敷中を飾っていた大小様々なキャンドル。
一度では運びきらないから、もう一回往復。
それらに火を灯し、庭に光をちりばめる。
降り積もった雪に光の粒が反射してキラキラと輝いた。
満足そうににやりと笑い、メロルーシャは屋敷の中へ戻った。

* * *

「ラヴィ、雪だるま、作ろう」
「えっ?」

突拍子もない提案に振り返ると、そこに居たのは黒ずくめのメロルーシャ。
コート、ふわふわのファーマフラー、イヤーマフや手袋に至るまで、
身に付けているものはすべて真っ黒。
葡萄色の髪の毛がいつもより鮮やかに見える。

「ほら、早くコート着て。行こう」
「え、ええ。ちょっと待っててね」

白いロングコートを羽織り、手袋に手を入れる間に、
メロルーシャによってマフラーをぐるぐる巻きに巻かれる。

(なんだか子供みたいで、くすぐったいわ)

* * *

「わ!」

キャンドルをたくさん灯した庭は幻想的な雰囲気に包まれていた。
まるでパーティーの続きのような、華やかで温かい光にラヴィエラは感嘆の声をあげる。
友人の驚く顔にメロルーシャはにやにや笑う。
とっておきの悪戯が成功した時の顔で。

「驚いた?」
「ええ、とっても」
「それはよかった。とてもよかった。吃驚させようと思ってやったんだからな」

へらりと笑って、メロルーシャは雪の上にしゃがみ込む。

「まずは雪玉をつくらなくちゃ、な」
「それを転がして大きくするのね」
「そうだよ」

ころころころ。
ごろごろごろ。
大きな丸い雪の玉がふたつ。

「メロ、そっち持って!『いっせーのーで!』で上げるわよ」
「うん。了解だ」
「いっせーのーで!」
「で」
「よし!形になったわね。じゃあ、ボタンの目を付けて……」
「嗚呼、良い事、思いついた」
「良い事って?」
「良い事は良い事だよ」

首を傾げるラヴィエラに、答えになってない答えを答えて。
メロルーシャは屋敷の中に走っていった。
かと思うと、あっという間に走り出てきた。

「コレ付けたら綺麗じゃないか?」

笑い猫のようにニヤニヤ笑いながら言うメロルーシャの手には
ツリーのモールやたくさんのオーナメント。
金色のベル、紅い花、色とりどりのガラス玉にお星様。

「それを飾るの!?」

その発想に驚きつつも楽しそうに笑うラヴィエラに、
メロルーシャはニヤニヤ笑いのまま頷いた。

* * *

首にはモールのマフラーを巻いて、
頭にグラスキャンドルのティアラを載せて。
白い体を飾るのは祝福されたたくさんの飾り。

「ずいぶん華やかな雪だるまね」
「キラキラ、だ」

メロの言葉通り、雪がキャンドルの光を反射してキラキラ輝く。
モールやオーナメントもキラキラ。
雪だるまも嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
二人は顔を見合わせ微笑んだ。

いつの間にかラヴィエラの寂しい気持ちは消えていた。
パーティーは終わっても、楽しい時間は終わらないことを思い出したから。
これからもずっと。
パーティーがあってもなくても。日常だって、楽しい。
ラヴィエラは元気づけてくれたメロルーシャに心の中で礼を言う。
口に出して言ったらきっと「何の事?」ってとぼけるだろうから。

「部屋に戻ったらさ。ココア、飲もう」
「それは良いアイディアね! 淹れてくれる?」
「もちろん、もちろん」

雪の上に白い足跡を残しながら、二人並んで屋敷内に戻っていく。
キラキラの雪だるまがそんな二人の後ろ姿を見送っていた。
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